ランチェスター戦略とデザイン その1

どうも!二進でデザインを担当している澤井です。(6回目)

さて、前回が中途半端なところで終わってしまったので、

今回はその続きを書きたいと思います!

(別にネタに困ってワザと分割したわけじゃありません、決して!多分。)

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「商品が売れる、サービスが広まる」に責任を持つデザイン。

そこにはマーケティング戦略と手法が必要であり、

デザインはそれを実現するための表現・ツールとして機能します。

そのマーケティング戦略のベースとして僕が参考にしているのが、

前回ちらっと出て来た「ランチェスター戦略」です。

もとは、軍事目的に利用されていた戦略ですが、

現在では営業戦略やマーケティング戦略に活用されるようになりました。

軍事的(戦争)戦略を経済的(ビジネス)な戦略として応用することで、

市場にいる競争相手(競合)から、顧客や市場シェアを奪う方法ということです。

経営に携わる方のなかには、既知の方も多いかと思いますが、

まずはランチェスター戦略を語る前に、その基礎になる2つの法則を見てみましょう。

2つのランチェスター法則は、

まったく異なる状況を仮定した2つの法則で成り立っています。

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第一法則 一騎打ちの法則 「戦闘力=武器効率(質)×兵力数(量)」

まず第1法則は、

兵士同士が互いに刀を持って戦うような、1対1の戦いを前提としています。

戦国時代のように、合戦の合図とともに一斉に敵に向かって突っ込む…という戦いです。

この場合、戦闘力は「質×量」で表すことができます。

例えば下記のように、

ランチェスター-01

A軍が5人 VS B軍が3人で、それぞれ同じ武器(例えば剣)で戦った場合、

敵味方ともに同数の戦死者が出ます。

例えば、B軍が全滅するまで戦うと、A軍の方にも同じ3名の戦死者が出ます。

歴史を振り返ると、山崎の戦い@天王山で明智光秀は豊臣秀吉と合戦しましたが、

明智軍16,000人に対して秀吉軍は35,000人の兵で勝利を収めました。

しかし、戦死者の数は両軍ともに3000人だったと言われています。

つまり、兵力はおよそ2対1にもかかわらず、損害は1対1になるのです。

第一法則のざっくり結論

『1対1の体当たり接近戦では兵力数に違いがあっても、戦死者(損害)の割合は同じ』

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第二法則 集団効果の法則 「戦闘力=武器効率(質)×兵力数(量)の二乗」

対して、第二法則は、ライフルのような1人で多数を攻撃できる武器を使った戦いを前提とします。

遠隔地から相手を狙撃するような、近代的な戦いです。

この場合の戦闘力は、先程の第一法則よりもさらに、兵力数(量)がモノを言います。

例えば下記のように、

ランチェスター-02

A軍が5人 VS B軍が3人で、それぞれ同じ武器(今回は機関銃)で撃ち合った場合、

損害量は二乗比になるのです。詳しく見てみましょう。

A軍が1/5で当たる攻撃を3人から受けるのに対して、

B軍は1/3で当たる攻撃を5人から受けることになります。

その損害量を通分して比率を計算すると、

「A軍:B軍 = 9:25 = 3の二乗:5の二乗」となります。

ちょっとややこしくなってきました。苦笑

第二法則のざっくり結論

『1対複数で戦えるような武器を使った広域戦では、戦力の強い方が断然有利』

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すご~くざっくりですが、

以上がシーン別の戦いの法則(ランチェスターの法則)です。

ここから考えられるのは…

「兵力数(量)が少ない劣勢な軍」の場合は、

第一法則をもとに

①射程距離の短い1対1で戦える武器を使って

②できるだけ敵に近づいて一騎打ちを行う

③そのために、接近した一騎打ち戦がしやすいような、身を隠しやすい戦場を選ぶ

ことで、損害の出方が優勢な軍と同数になって、

第二法則で戦うよりも、効果的な戦いができる可能性があります。

「兵力数(量)が多い優勢な軍」の場合は、

第二法則をもとに

①射程距離の長くて複数の相手を狙える武器を使って

②できるだけ敵と離れて戦う

③そのために、広くて見通しの良い戦場を選ぶ

ことで、損害の出方が少なくなり、戦いを有利に進められます。

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さて、これを経営(ビジネス)に置き換えてみましょう。

と思ったら、今日も時間がきてしまいました。

まだまだ、戦略とデザインを結びつけるまで、道のりが長そうですね、、

次回に続く!

(よし、これであと何週かはこのネタでひっぱれるぞっと…)