ランチェスター戦略とデザイン その3

どうも!二進でデザインを担当している澤井です。(8回目)

お盆も終わりましたが、まだまだ秋は先っぽいですね~。

今日も入道雲がぐんぐん空で育ってます。

こんな日は何もせずに、クーラーのガンガンかかった部屋で

のんびり読書と昼寝の無限ループをしていたいもんですが、

そんなことしていると他のメンバーからも起こられるので、書きます、書きなぐります!

さてさて、今回も続きです。

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前回はランチェスター戦略をビジネスに置き換える話でした。

①地域(どこの)②顧客(誰に)③商品(何を)④どうやって(流通)に関して、

例えば

①人口3万人の町のラーメン店でシェア1位(地域)

20代の男性に対する売上はシェア1位(顧客)

③飲料品のなかでもビールではシェア1位(商品)

④数ある販売チャネルのなかで、卸売りならシェア1位(流通)

という風に、

「どこの、誰に、何を、どうやって」売るかという競合局面で、

シェア1位を目指すのが基本戦略であるという話でした。

で、

ランチェスター-03

↑の図の話が出て来たところまででした。

うん、なんかブログは自分の備忘録にもなって、いいもんですね。

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で、今日はその図について考えてみたいのですが、その前に!

シェア1位、シェア1位っていろいろな局面で考えられますが、この局面、

すなわち「市場」の把握を誤ると、その後の戦略も狂ってしまいます。

だからこそ、いったんマーケットシェアについて考えてみたいとことです。

もちろん、最近ではシェアがどうとかって、実際どうなん?なんて、

シェア至上主義に疑問符がつくことも度々あります。

パーセンテージばかり追いかけていても、飯喰えないですからね。

ただ、マーケティング戦略&デザインの実務を考えていく上で、

具体的な判断指標がなければ、ゴールも設定できません。

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んでは、シェアについて考えてみるのですが。

ランチェスター法則を研究したアメリカの数学者に、クープマンという人がいます。

で、この人が導きだした「ランチェスター戦略モデル式」により作られた

「クープマンの目標値」という市場シェア理論があります。

クープマンのおっさんはシェアを見極めるポイントとして、

その比率を下記の6つに分類しています。

  • 独占的市場シェア:73.9%
    「独占的寡占型」と呼ばれ、首位が絶対安全かつ優位独占の状態をさします。下位企業が何社いても、簡単に業界の動向が変わりません。パソコンのマイクロソフト(Windows)なんかがそうですね。

 

  • 安定的トップシェア:41.7%
    独占ほどではありませんが、実質3社以上の戦いの場合、41.7%以上のシェアを取れば業界における強者となり、安定した地位を確保できます。この目標値は、一般的には「40%目標」等といって用いられることが多く、トヨタ自動車が「シェア40%の安定的な確保」にこだわっているのはこのためと言われています。実際、2015年の自動車市場シェアは45.1%でした。

 

  • 市場影響シェア:26.1%
    この値を上回ると、激戦の競争状況から一歩抜け出した状態と判断されます。つまり、この値が強者と弱者を決定付ける基準値となります。一般にはこのレベルで業界トップであることも多く、またシェア2位であったとしても、この基準にあれば市場に影響力をもつことが可能となります。新商品投入や値下げキャンペーンを行うと、下位企業が模倣するケースがよく見られます。スーパー業界なら、シェア29.5%のイオンと、26.0%のセブン&アイ・ホールディングスって感じです。

 

  • 並列的競争シェア:19.3%
    複数企業で拮抗している競争状態の時に多いシェアで、安定的トップの地位をどの企業も得られていない、まさに混戦状況です。この場合は、競合他社に先んじて市場影響シェアである26.1%を獲得することが目標となります。文具業界では19.4%を獲得したコクヨが業界1位でしたが、絶対王者って感じじゃないですもんね。

 

  • 市場認知シェア:10.9%
    生活者において純粋想起がなされるレベルのシェアです。このレベルになると、市場において競合他社からも存在を認められるようになります。が、上位グループではないため、シェアをさらに落としてしまう高いリスクがあります。逆に、この立場を活かして、既存商品にはない新たな価値を生み出す新規事業を立ち上げると、上位企業が対策を練る前に、新たな市場で独占的な地位を築ける可能性もあります。バイク業界なら、ホンダ(52.3%)、ヤマハ(29.2%)に続いて、10.1%のシェアを持っている川崎重工業。バイク好きなら知ってるけれど、まったく興味のない人は知らないKawasakiです。

 

  • 市場存在シェア:6.8%
    生活者において、助成想起が可能なレベルです。市場において、ようやく存在が許されるレベルとして位置付けられます。一方で、新興勢力にとっては競争に参入するための最初の目標値と考えられます。群雄割拠な居酒屋業界では、チムニー(7.0%)って感じですね。

※以上のシェアは2015年のものです。

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さてさて。これらがランチェスター戦略を考える上でのシェアの基本なのですが、

このままでは、ただの数字。

目標値は具体的な施策に落とし込む必要があります。

ただ、業界分析は複雑で、ビジネス環境によってすぐに変化しますし、

すんごく難しいもの。

ただひとつ確実なのは、

自身のビジネスのシェアについて、ある程度の現状把握と目標設定をしないと、

具体的な施策は打てないってことです。

うーん、長くなってきた。また次回ってことで!(逃げ)